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古民家改修と小屋づくりワークショップ〜BEYOND自然塾での日々〜

10月の初めから、山梨県の北杜市にある古民家に滞在しながら、古民家の改修と小屋づくり(コードウッドハウス)ワークショップに参加しました。いずれもNPO「Beyond自然塾」(代表・室田泰文さん)が主催。作業のノウハウを丁寧に指導してもらえるので、とても勉強になります。


北杜市は空家となった古民家がたくさんあり、八ヶ岳の風光明媚な自然に惹かれてやって来る移住者も多く、アマチュア有志による改修作業もさかんな土地。家づくりに実際に関われるチャンス到来です。

 

古民家改修

古民家の改修作業は平日は毎日やっており、室田さんを中心に数人のボランティアスタッフで進めています。私は大工仕事の経験は乏しく、丸ノコやインパクトドライバーをまともに使うのは今回が初めて。慣れていないせいもあり、寸法を間違えて切ってしまったり、測って切ったつもりがずれてしまいやり直しになるということも多々あります。普段これほどミスが目に見えてわかるという経験をしないため、失敗するとへこみます…

 

改修をしていて一番驚いたのは、現代建築と違って、一見すると水平や垂直に見えても、測ると微妙に左右で寸法が違っている場合があること。壁やふすまを測ってみると、高さが左右で数ミリ、時には1センチ近くの誤差があることもある。これを知らずに作業すると、仕上がりがずれてしまったりする。「あれっ!ちゃんと測ったはずなのに…」予測と実際が食い違うという、パソコンでの作業では中々起きない事態が頻出。そういう時は、失敗した経験を生かして、測り方を工夫するなど先回りして失敗を防ぐ。一回目は失敗しても、今度はうまくいった!予想した通りになった!それの連続で、だんだんと作業が上達するし、自信もついていきます。

 

私はうっかり屋で、かつ図形や数字に強くなく、寸法を測ったり間違えずに作業することは苦手なほうですが、作業を通して、困難なことや苦手なことへの対処法を学んでいる気がします。木工作業を通して人生を学ぶ。頭で分かるより分かりやすいし、身になる。

 

改修中の古民家

 

小屋づくりワークショップ

ワークショップは、9月から11月まで毎週日曜日に開催され、木や土など自然の素材を使った家づくりに取り組みました。参加者は20人程度おり、大人も子どもも楽しく真剣に取り組んでいました。

穴を掘り、山からチェンソーで木を切り出し、数人がかりで運び、皮をむき乾かすところからやります。釘などは極力使わずすべて自然素材で作るというのがコンセプトであるため、柱となる木材に凹型のホゾをチェンソーで掘り、木と木がうまく噛み合うようにします。これが非常に難しい。少し突起があったり、ホゾが浅すぎたり向きが少しずれていたりすると噛み合わない。それを調整しながら進めていきます。

 

 

これが終わると、土と藁を混ぜて水で練って粘土状にした泥団子づくり。これを塗りこめて土壁にするのです。土を運ぶ班、土・藁・水を足で踏んで混ぜる班、できた泥団子で土壁を作る班に分かれ、せっせと作業します。私はなぜか、土をスコップで掘って運んだり、フンコロガシのように泥団子をせっせとこしらえる土木的作業のほうをいつもやっていました。土壁を塗るのももちろんやりましたが、気が付くと無意識に力仕事のほうに回っているのです。こういうところに人の本質が出るのかもしれません。…

 

ワークショップ最終日までに、棟上げ、そして壁づくりの8割ぐらいは完了しました。あと一息です。

 

 

 

DIYな日々

改修作業場の近くには日用品を売る店がないので、生活に必要なものは簡単なものなら自分で作るようになったことも収穫です。カセットボンベが切れたので、外で火を起こして(チャッカマンでですが)調理をしたり、障子が破れているので新しく障子紙を貼ったり。ベルトを持ってくるのを忘れてきてしまったので、倉庫にあった麻紐で自作したり。

 

都市部に住んでいた時は、ものが壊れれば何も考えずにすぐに新しいものを買って済ませていましたが、ある程度不便な場所にいると、不器用だろうが自信がなかろうが、必要にかられて自然と手を動かすようになります。スーパーやコンビニが近くになくていつもひもじいし、風呂や洗濯機はないし、夜油断すると風邪をひいてしまうシビアな環境ではあるけれど、精神衛生にとっては健康的なサイクルだなと思いました。趣味ではなくて、ないから作る。今まで何も作ったことがない人がモノづくりにかかわる絶好の機会です。

 

みんなで作った屋外コンポストトイレ

 

私は以前からモノづくりに憧れていたものの、そうした分野は専門学校とか仕事で正式に技術をマスターした人でないと携われないのだと思い込んでいました。


少し前の日本だと、特に音楽とかモノづくりの世界などは若いころから「その道一本」で専修しないと通用せず、そうでない人がやれば「邪道」とみなされるような雰囲気があったように感じます。そのころはそれが正しいのだと思っていましたが、今振り返ると、あの考え方は産業の分業化、専業化をすすめるため恣意的につくられた面もあったと思えます。

 

私は今30代半ばで、ちょうど、そうした分業化的、家族至上主義的、自己責任論的な社会と新しい社会の過渡期に青春時代を過ごした世代にあたります。いわゆるロスジェネ世代で、就職する頃は大不況。にもかかわらず、古い価値観がまだまだ健在で、「努力が足りない」と根性論でレールの上を走るよう周りから説得される。厳しい時代だったと振り返ります。今ようやく、新しい価値観やライフスタイルが生まれ広まってきているようで、ホッとしているところです。…

 

私が担当した便座

 

これまでは、食べるものも住むところも着るものも、会ったこともないどこかの誰かに委ねられており、私たちはそれら既製品の中から選択することしかできなかった。けれど今後、みんなが畑で自分の食べる野菜をつくったり、簡単な大工仕事もこなしたり、生活に必要なことをある程度自給できるようになれば、社会は大きく変わるに違いない。もし大災害が起きて電気や水道などの公共インフラが止まってしまっても、過剰に慌てふためくこともない。…


最近、こうした考えが前よりも一般的になってきたと感じます。モバイルハウスもトレンドになり、あちこちにDIY拠点ができ始めている。シェアハウスも当たり前になり、エコビレッジとかトランジションタウンでイベントをやれば、新しいもの好き、面白いこと好きの人々が集まってくる。ヒッピー文化の流行った世代や、ログハウスDIYの流行った世代、そしてモバイルハウスや小屋暮らしに憧れる若い世代が一堂に会し交流する。良い流れだと思います。

 

 

ビヨンド自然塾での古民家改修は今後も引き続き、外壁の修繕や風呂設置など進めていく予定。私も旅の合間に適宜、参加していこうと思います。

 

旅をしているうちに、新しいコミュニティづくりをやっている人々や場所について、さらにいろいろな情報を得ることができました。行ってみたい場所がたくさんあります。またレポートします。

Asuha
Asuha

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